〜幸運でもいい、無様でもいい、それでもええやんけ。"勝った"んやから〜

我がガンバ大阪はジュビロ磐田とのホームゲームを2-0で勝利した。我がガンバ大阪は勝利した。忘れていた勝利というSから始まる文字の打ち方に両手が震えて、目からは何か水分が出てきて居る。ホンマか??ホンマにリーグで、ホーム万博で勝ったんやな?何度も確認し噛み締めながら歓喜を味わった。そして勝利の美酒の味は格別という表現も生温い最高のものだ。相手にクロスバーに当てられたり精度に助けられたりした不運もあった。ずるずると責められる無様な時間帯もあった。だから結果オーライなんて言わない。改善すべき点はまだまだあり、俺たちは9つのタイトルを持つ名門ガンバ大阪だ。1つの勝利にいつまでも酔いしれて居る場合ではない。だが今日とそれから明日くらいはもたらされた勝利に酔いしれていたい。勝利とは本当に幸せだ。



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この選手たちの姿が全てを物語っているだろう。辛く長いトンネルだった。



リーグ戦228日ぶりの勝利、ホームに限れば254日ぶり、リーグのホームでのクリーンシートは319日ぶり、こんな不名誉な記録ずくめの勝利となったがピッチの選手たちが倒れこみ淚を流し、拳を突き上げる姿を見るとまだ一つやんけ、名門ガンバのプレイヤーたるお前らが大袈裟やねんという気には少なくとも今日はなれない良くやった。ベンチに目を向けるとクルピも涙を流している。たかが一つ勝っただけで指揮官が泣くなんて甘い。ホントに今日だけは言いたくない。彼にとってはホーム公式戦初勝利なのだから。とにかく幾たびの屈辱や悔し涙が少しだけ嬉し涙に変わったのだ。いいもんだ。ホンマに。ただしもっと流したい涙だ。もっと大きなものを、より多く、より大粒の。ホーム、リーグで勝てば言おうと思っていたがやっと言える。
"レヴィー・クルピ、ようこそガンバ大阪へ"






さてここからは試合の寸評に入る。これまでのゲームと違うのは前半のファーストチャンスで先制できたことだ。3分から4分にかけてのファビオのゴールは今季最速で、ファーストシュートが点になったのは今季初だ。しかもコーナーキックに至るまでの流れとしてマテウスが強烈にプッシュして得たと言うもので、3バックにきっちりプレッシャーをかけると言うコンセプトをいきなり示して、いきなりそれを完結させるという強烈なファーストコンタクトだった。インパクトの大きい先制点を得た後のガンバは素晴らしかった。スリーバックの足元に不安があると見るや長沢、倉田が猛プッシュ。ミスがあると見るや全力でボールを奪いに行く。また遠藤、マテウスがこの日は効いていた。共に運動量が豊富で動きの軽さと対応の重さ、マテウスには速さも備わっていた。そのお陰か30分までは相手に枠内シュートを許さず、逆にこちらは遠藤の素晴らしいカットから長沢へフリーで転がって蒸すなどを含めサイドと中とバランスよく攻撃をブレンドできた。マテウスの上りをうまく抑制できている時間は中盤はよくバランスを取れていたと思う。彼が高い位置を取っても不用意な失い方をしないぶん支配率は自ずと上向いた。球際での強さは眼を見張るものがあったし、ロストしたことあったのだろうか?マテウスのところで





ただ後半ギアを上げてきた磐田にやや受け身になってしまった。CBからの1歩目のパスに対し疲労もあってか若干のディレイが発生すると手早くサイドへ振って鋭いボールを上げてきた。相手の左のギレルメがかなり優秀で、どんどん突破してはどんどん質のいいボールを上げてきた。そして相変わらずクロッサーへの距離を詰められていない。方針なのかミスなのかわからないがどうみても3〜4mある距離感でクロスをあげさせてしまっている場面が1度や2度ではない。もっとサイドを締め無ければ、次はやられる。ただ磐田の決定機は何もこちらのミスからで磐田にしてやられた場面はほぼない。1本中村俊輔が強烈なミドルを見舞ったが、それ以外は初瀬の見事なスルーパスと中村敬斗のパスミスをかっさらわれてと言うのが起点だ。守備はファビオが見違えるように初動の速さと強さを見せ、中盤から前線にかけても運動量豊富に良く戦った。そして外し続けた磐田に2点目が突き刺さり、東名高速を不幸な気分で走らされるのは必然だ。神戸戦と真逆で、外され続ければいつか必ずチャンスが来ると言う典型だ。ファン・ウィジョの今季5点目は文字通りとどめだった。そして彼のゴールは復帰を果たした藤本のスルーパス。頼れるレフティーが復活した。連戦に長沢は悲鳴をあげたがその他の選手は疲れを見せることなく最後までよく戦い、最後まで勇敢だった。ホームチームは拳を突き上げた。試合開始時に降っていた雨はやんだ。そうガンバに降っていた雨はやんだのだ。サポーター風に言えば"始まった"だろう。ただ本当に始まったかは長崎、そして生意気なクソ豚、ライザップ湘南、ここら辺までをぽんぽーんと粉砕してこそだろう。なにせまだ最下位なのだから。





・選手採点
東口 7.0
リーグ戦のクリーンシートは実に26試合ぶり。枠内へのシュートはそれほど多くなかったが終始安定したプレイ。中村俊輔のミドルのセービングはさすが。




初瀬 6.0
川又への"スルーパス"が無ければもう0.5ポイント上がっていた。対応も早く重く、クロスも質が良かった。前節も書いたがいい場面と悪い場面がはっきりしすぎている。若さゆえの過ち





三浦 6.0
ファビオが良すぎたのでさほど目立たないが、基本的に相手に仕事はさせず。ギレルメのクロスにも粘り強く良く対応した。





ファビオ 7.5☆
復活その1。別に怪我はしてないが、前節までの弱々しい低調なプレイとは裏腹に、空中は制圧し川又を黙らせ、地上戦でも機動力のあるいいディフェンスで、相手にチャンスを与えなかった。そして何と言っても今季初ゴール。MOMゲット。





米倉 5.5
終盤になっても途切れないオーバーラップはさすがだが、対ギレルメという意味では後手に回った感は否めない。パスミスも見受けられ軒並みよかった中でやや低調





マテウス 6.5
運動量が半端ない。データを確認するとチームトップ。縦横無尽に駆け回ったとはまさにこのことだが、球際での強さは運動量以上に眼を見張るものがあった。とにかく取られない。強い





遠藤 7.0
攻守にわたり強烈な存在感、上がって散らして守って、精度のいいキックでファビオの1点目をアシストして。良いときのヤットが完全に戻っている。ガンバの勝利にはやはり7番の輝きがマストのようだ。さすが!!





食野 6.0
それほど悪いとは思わなかった。倉田と連動した仕掛けも見られたし強引だがシュートを狙いにいく積極性もあり、高橋洋平に対し取られたら取りしたるといった具合に吹っ飛ばしにいった場面含め気持ちは感じたが。守備でも悪くなかった。実際藤本が投入された後はややインテンシティが落ちた。




倉田6.0
ディフェンスは前からかなりしっかりとやれていた。CBにきつくいくことでビルドアップを封殺。対ところでファールを受けるなどしたが攻撃はやや不発。ただトータルではチームに貢献した。タスク的にはきっちり果たせたのでは?






ファン・ウィジョ 7.0

さすがに激情の虎とか言われるだけはある。"全力疾走"という言葉がよく似合うプレイで好プレイを連発。クロスは連発したグラウンダー以外のオプションも欲しかった。ゴールはさすが。リーグトップタイ




長沢 5.5
3バックに猛烈にプッシュすることでビルドアップを遮断する役割を倉田と共有。ワントップとしてうまく縦に受けることはできなかったが裏抜けは何度か見せていた。しかし相手のミスとクロスからの決定機を外し試合展開を楽にできなかった。78分に筋肉系のトラブルを起こし負傷交代。






・途中交代
藤本 6.5
復活その2。後半からの出場はもしかしたら予定調和だったのかもしれないが強度面でやや不安も、持ち前のテクニックで攻撃を活性化。スルーパスで2度チャンスを作り1度はファン・ウィジョが決めた。復活だね





中村 6.0
東京戦、神戸戦と出場期待がなく3試合ぶりの出場となったが、いきなりカットインからシュートで惜しい場面作り不用意なパスミスでピンチを招くと若いプレイヤーらしいプレイ。結果は出なかったがやはりジョーカーとしては既に一級だ。





井出 6.0
走り回りためて出場時間数の割には貢献度は大きい。長沢の負傷でファンがワントップに回った形は長崎戦以降継続濃厚だと思われるので感覚を忘れずにいてほしい。











湧太