~なんとか拾いたい希望 負ければクルピの冒険は終着点へ~


我がガンバ大阪は週末清水エスパルスとのホームゲームに臨む。個人的にも5月の浦和戦以来の参戦なので楽しみといえば楽しみだ。問題なのは楽しみという感情の100倍は不安や不満といったネガティヴな感情があることだ。ご存知の通り最悪の最悪を極めている9冠チームだが、この試合に負ければここ10年で2度目のシーズン中の監督解任が濃厚な状況となってきた。遅すぎるくらいな気もするし、もちろんクルピのクビは飛ばしたいが、では応援に手を抜いたり負けた方がいいなんて思わない。J1残留に向けてそんな悠長なことはいってられないのだ。山内だか梶居だかの言葉だが文字通り11戦トーナメントのつもりで戦うしかない。その論法でいえば広島戦に敗れた時点で終了ではないかと言いたくはなるが





・清水について

そんなに強いわけではないとシーズン前には予想していたが、思っていたよりは強い。だが決して絶対勝てない相手ではない。普通に考えれば。メンツは結構なレベルだ。前線は鄭大世にクリスラン、さらにここにドウグラスが加わった上に中盤にもそれなりの人材が揃っている。水曜日にボコボコにされた広島のベースを昨シーズン作ったヨンソンが率いるチームだけに、下手をすれば水曜日の悪夢再来すらありうる。実際にこのチーム水曜日はクソ豚を3-0で粉砕してきている。クソ豚は現在4位、ガンバは16位。つまりそういうことだ。水曜日のゲームを場所と相手を変えただけで、同じような試合をしてクルピ解任は最も想像がつくシナリオの一つだ。






しかしながら足りない部分があるから清水は首位に居ない。実際清水の順位は現在9位だ。付け入る隙は十分にある。攻撃は広島の様にカウンターが中心だが、金子やミッチェルデュークといった独力の突破力に長ける選手たちがいる分、少し対策の施し方が違うかもしれない。狙い目となる場面は攻撃に人数が割かれる前の段階くらいだろう。実際カウンターの防ぎ方としては具体性に欠けるが、11のスピードで勝てる選手は今いない。特にファビオが今節出場停止な分、ライン上の初動性は劣る。マテウス、出れば高江あたりにきっちりとした対応の警戒をさせるべきだ。またクリスランの高さと強さもパトリック並の脅威だ。特に足下があるぶんより厄介と言えるだろう。とにかく対人で勝てないなら、出してを潰すか、複数人で潰すかしないと、パトリックの様にいいようにやられるだけだ。クロッサーに対する対応を中心に修正すべき点は少なくない。






清水ディフェンスについてはやや失点が多い。原因はいくつか考えられるがサイドバックを積極的に上げているぶんのいわば反発の様なものだろう。実際中に構えるフレイレやファン・ソッコは優秀なCBだ。六反もいいキーパーだ。ただクソ豚戦を見る限り修正されている様に見える。特に松原の部分は対峙する高木をほぼ完璧に封じ込めていた。対人の強さは元々あった選手だが、対応に隙は見受けられなかった。しかもポジションは高く頃合いを見て中にカットインし、中は中でセカンドボールの回収率が良好でカウンターの起点になっていた。キャンプを経た修正ということなのだろうが、いい形を構築できている。しかし逆にいえばサイドの部分はなにかあれば綻びが出る可能性も十分にある。攻撃陣が16試合で22得点は広島に迫る攻撃力なので、失点はある程度想定するべきだが、それ以上に点を取れるチャンスもあると見るべきだ。そこらへんにいかに光明を見出すか、スカウティングやクルピの修正力が問われるところだろう。






・ガンバについて

前節から課題は明白だ。サイドの守備の対応。この1点に尽きるだろう。いや実際これ以外にも多々あるのだろうが、早々の退場もあって課題の見出しも出来ないままに一方的にタコ殴りにあった様な形だ。今節においてはそれくらいしか明確な修正点を出せていない。だがそれは具体的だ。クロッサーへの寄せにしても中の対応にしても、基本的なことだ。クロスを上げる選手に対しフリーにしない。中ではマーカーを明確にし身体をしっかりと当てる。前回初歩なればこそ真理という言葉で広島の陣形のコンパクトさを表現したが、今回のクロスに対する対応にもこの言葉を用いたい。逆にいえば初歩ができていないのは東口のコメントにある様に退場で10人になった云々の要因ではないのだ。なんとかしろボケども。





ただしだ。10人になったことが要因でクルピの修正力を正しく判断できているかというと正直微妙なところだと思っている。レポートにも書いたがファビオが退場になるまでいい形を作っていた。特に攻撃の面ではサイドバックを高くあげて、サイドバックはきっちりカットインしてきていた。流れの中からのチャンスになりかけており、セカンドボールもうまく拾えていた。あの形が継続できるのであれば本当にわずかだが勝機はある。このクソ暑い中で運動量が望めるかどうかは別問題として、ガンバは残留のため必死にならなければならない。





まあ何れにしてもこの報道の雰囲気や社長の発言から察するに負ければ解任は現実的だろう。勝っても解任すべきだと思うがさしあたり生き残るためには1ポイントでも多く必要なのだ。2ヶ月ぶりのホームゲーム、どんな戦いを見せるだろうか?





・このカードについて

通算27825敗。去年まではリーグ戦は引き分けを挟み12戦負けなしというお得意様中のお得意様だったが、去年はその清水生まれの愚将長谷川のおかげで約20年ぶりのダブル献上。ちなみに清水は前述の通り水曜日に4位のクソ豚を粉砕してきている。






湧太